Taxonomic Blog


by taxonomicblog
Taxonomic Blog 008

英名:Manta Ray
学名:Manta birostris
和名:オニイトマキエイ 

翼長:3.5m
生息水深:表中層を単独または数尾の群れで移動する
生息域:沖縄、四国、全世界の亜熱帯~熱帯海域
撮影地:ジャーマンチャネル水深15m
Auther:tomoya


まいどです!!
今回は世界の人気者“マンタ”です。

パラオでは特に乾季での目撃例が多く、12月中旬から3月くらいまではかなりの高確率で、ジャーマンチャネルなどのポイントで観察することができます。

普通の腹部が白い個体の他に、全身真っ黒の“ブラックマンタ”と呼ばれる個体も存在します。
ブラックマンタは普通種に比べると、数も少なく、遭遇できたらかなりラッキーです。

しかし!!今回紹介させていただくのは、更にレア!!
パラオでもほとんど目撃されていない、“ホワイトマンタ”です。
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この写真は6月にジャーマンチャネルで目撃された個体です。
上げ潮時で、捕食でも狙ったろかいと沖に出た所で遭遇。
体のほとんどの部分が白色で、一部黒色の部分が見られる個体です。

『マンタは老成化すると白くなる』と噂を聞いたんですが、魚類は哺乳類などと違って成長が頭打ちになることがなく、老成化した個体はいずれの種も巨大になることが知られています。
この個体は翼長3.5m。
まだまだ若い個体です。

公式の記録でマンタの最大翼長9mと聞きました。
非公式では12mです。
これらの個体が“ホワイトマンタ”であったとは聞きません。

おそらくマンタの白化個体“アルビノ”ではないでしょうか!?

パプワニューギニアでは目撃例があるらしく、パラオでも何人かのガイドさんに見たことがあると聞きました。

この時はステーションでグ~ルグルというわけにはいきませんでしたが、いつの日か再会してみたいもんです。


ともや
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# by taxonomicblog | 2006-09-08 18:56

ハナダイギンポ

Taxonomic Blog 007

英名:Midas blenny
学名:Ecsenius madas
和名:ハナダイギンポ 

体長:100mm
生息水深:-2mから-30m
生息域:紅海からライン/マルケサス諸島南部・フィリピン南部からニューカレドニア・パラオ・グアム
撮影地:ブルーコーナー水深16m
Auther:hashizo


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ハナダイギンポです。当地パラオでは、水深-20m程度の潮通しのよいドロップオフでみることができますが、個体数はあまり多くはないようです。愛嬌のある顔が人気で目の周りに入る2本のブルーのラインがともて美しい種です。

撮影は、105mmマクロレンズを使っています。危険を察知するやひゅっと巣穴に隠れますが、巣穴から外の様子を伺っている姿は比較的容易に撮影できます。もし遊泳している姿を撮影しようとするならばなかなか難しい撮影になります。ドロップオフのとくに潮通しのよい部分を好み、流れてくる動物プランクトンを捕食しているため、ものすごい速さでちょこちょこと動き回ります。フォーカスノブが壊れそうなほどぐりぐりと回し続けフォーカスを追い続けます。

個体の眼球にフォーカスが来ていること、背びれ、腹びれ、尾びれ、胸びれ,臀びれが完全に広がっていること、背骨が特徴的な形になった瞬間を常にイメージしながらシャッターを切り続けます。ストロボのバッテリー、カメラ本体のバッテリー、タンクの残圧、減圧不要限界のいずれかのリミットを迎えるまでシャッターを激しく切り続けます。共生ハゼの撮影が「静的」であるならば、こちらは、「動的」な撮影でしょうか。

なんといっても本種を語るうえで、特筆するべきは、その擬態についてではないでしょうか。名前の由来はハナダイの仲間を真似ているからと思われますが、キンギョハナダイ、バートレットフェアリーバスレット、アカネハナゴイの群れの中に1個体だけ混ざって泳いでいることがあります。この写真の個体は、ブルーコーナーのカシワハナダイの群れの中に混ざって泳いでいました。

mimic・・・擬態するという意味ですが、大まかには、隠蔽(いんぺい)擬態と攻撃擬態に分けられ、隠蔽擬態とは、その名の通り捕食者(プレデター)から身を隠すために周囲の環境に似るというケース。また攻撃擬態とは、捕食者が獲物に近づくために無害な生物に似るというケース。さて本種はなぜハナダイの仲間に擬態しているのでしょうか。

本種は自分では群れを形成することはないのですが、自分が採用したカラーに最も近いハナダイのグループに混泳しているようです。動物プランクトンを食べていることから攻撃擬態ではないと考えらますし、ロウニンアジやカスミアジなど彼らにとっての捕食者から孤立して見えてしまわないように大きな群れの中に混ざるのでしょうか。

ブルーコーナーに行かれた際には、カレントフックをかける際に、手元をみてください。ドロップオフぎわに、カシワハナダイの群れと本種が見られると思います。

はしぞう
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# by taxonomicblog | 2006-07-17 16:09

メアジ

Taxonomic Blog 006

英名:Bigeye scad
学名:Selar crumenophthalmus
和名:メアジ


体長:300mm
生息水深:170m以浅
生息域:日本列島・ハワイ諸島・ニューカレドニア・ラパ・ミクロネシア全域
撮影地:ウーロンチャネル水深15m
Auther:hashizo

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さて、メアジです。パラオで見られる代表的なアジ科生物でメアジ属の一種です。本種は「ウーロンチャネル」で観察する事ができます。1999年~2004年までは、ドロップオフの近辺でみられたのですが、ここ数年は、チャネルの奥の砂地に見られるようになりました。

日中は、水深15mあたりの砂地に巨大な群れを形成しグレイリーフシャーク・ホシカイワリ(アジ科)・ヤイトハタが、捕食すべく群れの周りを取り巻くのですが、本種はそれを嫌ってあちらこちらへ「どどどーっ」っと高速移動を繰り返します。
本種は小型のエビなど動物プランクトン(Zoo Plankton)などを捕食しています。 Robert F Mayers著 「Micronesian Reef Fish」によるとマリアナ諸島では、「8月から11月にかけて巨大な群れを形成する。」との記述がありますが、当地パラオでも、やはり秋頃には、群れが最大になるようです。

Predator・・・「プレデター」というとあのシュワルツェネガー主演の奇怪な宇宙人の映画を思いつく人も多いと思いますが、これは「捕食者」という意味。対義語は被食者と言います。喰う者と喰われる者。本種にとってのプレデターは、サメの仲間や大型のアジなどとなります。


「ロトカ・ヴォルテラの式」という捕食-被食関係の数学モデルがあり微分方程式で表すことができます。

dN2/dt=r1・N1-P・N1・N2
dN2/dt=a・P・N1・N2-d2・N2

r1=個体の成長率
p =捕食率
N1=被食者の個体数
N2=捕食者の個体数
dN2=捕食者の固有死亡率



喰う者と喰われる者の関係を繋げると一方向に並ぶ連鎖がみられ、これを「食物連鎖」と呼びますが、実際には、それぞれの種が多くの種を捕食するため互いに交錯した網目となり、これを「食物網」と呼びます。ほんのわずかな例外の除き、全ての動物は他の動物を食することで命を繋いでいます。そして、その捕食者も何者かの被食者であり、その捕食者もまた被食者となり無限の連鎖が続きます。

華々しく取り上げられることの多いギンガメアジと比べ、ダイビング雑誌などにも、取り上げられることのない種ですが、なかなか通好みのアジです。
秋にパラオへ来られた際には、是非リクエストしてください。


はしぞう
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# by taxonomicblog | 2006-07-17 15:09

シロカジキ

Taxonomic Blog 005

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Black Marlin
Makaira indica
シロカジキ

体長:2.5m
生息水深:不明(-10m以浅と思われる)
生息地:インド・太平洋の熱帯~亜熱帯域
撮影地:ジャーマンドロップオフ
Auther:tomoya

今回はわたくし、ともやが書かせていただきやす。先日、ログにも書いたんですが、カジキの類がサメに襲われているところを早朝ダイビング時に発見しました。

オペレーターのサインさんは『Blue Marlin~!!』と叫んでましたが、Blue Marlinは和名でニシクロカジキといい、分布域は大西洋の熱帯から温帯域となっています。パラオはバリバリの太平洋なんでこれは考えにくいです。自分の記憶とかすかに写ったカジキを頼りに、推測すると“Black Marlin(シロカジキ)”かと考えられます。バショウカジキならすぐ分かるんですけどね。


この日は一本目ブルーコーナーを終了し、ジャーマンチャネルへ移動する時に発見しました。
アタックしていたサメはグレーリーフシャーク、ネムリブカ、ツマグロなど、10匹以上が群がっていました。発見した時“Bダッシュ”で駆けつけ、なんとかこの一枚。あっと言う間にカジキは最後の力をふりしぼって深場へと消えていきました。カジキの仲間はカツオに対する強力な捕食者です。ボート上で“鳥山”がよく見られますが、あの下には“スマ”というカツオの仲間が群れています。カジキもあの鳥山の下でアタックかけてるんでしょうね。



生態系ピラミッドの頂点であろうカジキがアタックされていた衝撃!!スピードでは圧倒的にカジキに分があるはずなのですが・・・。どうして襲われたのか!?ひょっとしたら、もうすぐ寿命を迎える個体だったのか!?謎は多いですが、奇跡の瞬間に立ち会えたと思っています。


ともや
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# by taxonomicblog | 2006-05-24 14:15

オヤビッチャ

Taxonomic Blog 004


英名:Indo Pacific sergeant
学名:Abudefdul vaigiensis
和名:オヤビッチャ


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体長:14cm
生息水深:1~12mまで
生息地:紅海~マルケサス諸島・ツアモツ諸島北部/日本列島全域と朝鮮半島南部/ミクロネシア全域
撮影地:ビッグドロップオフ 水深2m
Auther:hashizo


さて、今回は、ものすごく普通種です。オヤビッチャ。この名前から比較的早い段階で覚えられる種でもありますね。特にサイパンでライセンスを取得したダイバーは100%記憶に残っているのではないでしょうか。さて、当地パラオでもものすごく普通種です。特にビッグドロップオフの1~3mには、500個体ほど生息しているようです。この写真の水底を見てください。なにやら赤い点々がみえますでしょうか??

拡大してみます。
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なんと、卵のようです。直径30cmほどの円形をしており、その中に数万個の卵があるようです。ひとつの円形に対し必ず1個体が守っています。雄の役割なのか、雌の役割なのか。。

見守り役の個体がちょっと離れた隙を狙ってスダレチョウチョウウオのペアが、卵をついばんで食べてしまっています。見守っている個体がものすごい勢いで怒ってアタックをかけていました。スダレチョウチョウウオは特に悪びれた風もなく3mほど離れますが、見守り役が離れる隙を虎視眈々と狙っています。

この調子だと孵化するまでに、90%くらいは食べられてしまうのではないでしょうか・・・・

来週あたり「目」が確認できると思います。

はしぞー
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# by taxonomicblog | 2005-10-30 19:17

ミヤコテングハギ

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Taxonomic Blog 003

Naso Lituratus
Orangespine unicornfish
ミヤコテングハギ

体長:300mm
生息水深:0m~90m
生息域:紅海・南アフリカ~ハワイ諸島・南日本など
撮影地:ブルーコーナー水深18m
Auther:hashizo

ニザダイ科に属するこの種は、当地パラオで通年観察することができます。特に2月の大潮周りになると2000固体ほどの群れになることでベストシーズンパラオを代表する種のひとつとなっています。

また、この時期、体内に卵をもっているため高たんぱくである事を知ってかグレイリーフシャーク100個体ほどが群れを取り巻いてアタックをかけている様を観察することができます。この写真では2個体しか確認できませんが、その後最高67個体のサメが捕食活動をするために集まっているのをみた事があります。

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♂の成魚は尾鰭(Caudal fin)の両端が糸状に延長しますので♀と区別することができます。この時期の個体数を違う写真で検証したところ、♀:♂=120:1程度となっていました。大潮にあわせて放卵射精をするのでしょう。(一瞬のうちに♀が放卵し、その直後♂が射精し水中で受精します。)

また、上顎30~35本、下顎約30本の門歯状歯により葉状藻類を食しているそうです。


リーフの上を高速で逃げ惑うミヤコテングハギとそれをどうしても喰いたいグレイリーフシャークの群れの葛藤。喰われるものと喰うもの。ものすごい瞬間です。
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# by taxonomicblog | 2005-05-12 11:48

スミレナガハナダイ

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Taxonomic Blog 002

Squarespot anthias
Pseudanthias plerotaenia
スミレナガハナダイ

体長:100mm
生息水深:15m~180m
生息域:インドネシア~サモア諸島北部・沖縄南部・Rowley Shoals・ニューカレドニア・ミクロネシア全域

撮影地:タートルコーブ水深18m
Auther:hashizo

さて、2回目です。ちょっとメージャー過ぎるかなぁと思いましたが今回は、「スミレナガハナダイ/Squarespot anthias」です。本種は、ハタ科に分類され、パラオでは、ドロップオフのポイントで比較的簡単にみられる種です。同属(Pseudanthias属)には、オーロラアンティアス・コウリンハナダイなど生息水深-50mオーバーの種も多く存在しますが、本種は、20m程度の水深で見ることができます。さて、本種の背鰭の構成は10棘16-18軟条ですが、この写真(上)では、本来10本あるはずの背鰭(Darsal fin)の棘(きょく)が3本だけしか残ってないようです。これは、幼魚の頃に肉食魚に捕食されたのではないかと想像されます。傷跡は、きれいに治癒しているようで、その事からも幼魚時代の傷ではないかと思います。
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上の写真は、幼魚を撮影したものですが、体長30mmほどで、人の親指の第一関節ほどのサイズでした。本種は、雌性先熟ですので、生まれた時、すべての個体は♀。群れの中で数個体のみ♂に性転換しますので、幼魚の♂は存在しないはずですが、もしなんらかの影響で♂の幼魚がいたら、是非撮影したいですね。かわいいでしょうね。きっと。はしぞう
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# by taxonomicblog | 2004-12-02 19:05

トラフザメ

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Taxonomic Blog 001

Leopard shark/Zebra Shark
Stegastoma varium
トラフザメ

体長:235cm
生息水深:5-30m以深
生息域:レッドシー・サモア諸島南部・日本南部・オーストラリア南~南西部・パラオ・カロリン諸島・マーシャル諸島南部(ミクロネシア)

撮影地:タートルコーブ
auther:hashizo

このトラフザメは、ジンベイザメ科に属し当地パラオでもとても珍しい種になります。ジンベイザメのように体表に黒斑点模様を持ちます。他のサメと間違うことが絶対にないほどの特徴といえば、体長と同じほどもある長~い尾鰭でしょう。昼間は砂地でじっとしていて、夜間に小魚などを捕食しているようです。また幼魚(juvenile)の頃は、黒地に白いゼブラ(シマウマ)模様をしてます。こちらの幼魚の状態はスーパーレアで「俺、見たことあるぜ」という方はご一報下さい。さて、この写真は、水深23mで撮影しました。交尾の前段階かと思われます。♂が♀の尻尾を食わえ込んで♀は白い腹部を上面に向けながらバタバタしていました。この時は時間切れで交接まで見ることはできませんでしたが、貴重な生態シーンではないでしょうか。はしぞう
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# by taxonomicblog | 2004-11-10 20:04