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Taxonomic Blog


by taxonomicblog

バラフエダイ

Taxonomic Blog 013

バラフエダイ_b0062119_19292992.jpg


和名 バラフエダイ
英名 twinspot snapper
学名 Lutjanus bohar
全長 40~70cm
食性 肉食 魚類/甲殻類/軟体動物
生息地 紅海・沖縄諸島・ミクロネシア全域など
撮影地 シャークシティー
Auther:はしぞう



バラフエダイ/twinspot snapper(英名)/Lutjanus bohar(学名)です。リーフエッジで、単体で泳いでいる姿を頻繁に見かけます。フエダイ科の中でも特に大型で70cmほどの個体も多く見かけます。いつ出会ってもギラギラとした肉食魚特有の目をしています。幼魚期は、内湾性の場所を好み、スズメダイの群れと混泳し、シコクスズメダイやカブラヤスズメダイに攻撃擬態している様子も観察できます。


撮影は、20mmレンズを使っています。群れの大きさからすれば、さらに広角の10.5mmfish-eyeレンズを使いたいところですが、本種は、異常なほどの警戒心をもつことでも有名な魚でもあり、どうやっても近づくことができません。20mmレンズであれば、画角いっぱいに群れを入れ込むことができます。撮影地は、シャークシティーのリーフ先端部水深-30mです。このサイトは、秋・春のイレズミフエダイの巨大な群れが見られることでも有名ですが、同科のバラフエダイも同じ環境を好むようです。撮影日は、満月の3日前で、このことからも、やはりイレズミフエダイ同様に、産卵行動のため、巨大な群れを形成していると考えられます。


標準和名の学術的な記載は、カタカナ表記のために、生物の名前の語源を探るには、論文を発表した際に命名した研究者に聞くか、あるいは想像するしか方法がありません。さて、本種バラフエダイはというと、なかなか語源を想像しずらいのですが、一説には「死後、薔薇の花のように真っ赤な体色になるから」と言われています。命名当時は、スクーバーが今よりもずっと特殊なものであったため、水揚げされた状態で研究がなされる事が多かったと考えられますので、この説もまたあり得そうです。同様に、水中では黄色いアカヒメジも死後赤くなることで有名です。

バラフエダイ_b0062119_19304860.jpg


また、英名のTwinspotは、幼魚の頃に、背部に白点がふたつあるという特徴からの命名であると考えられます。同じく幼魚時期の特徴が標準和名となっていると考えられる種としては、イトヒキアジ・マダラタルミ・ヒレナガスズメダイ・コクハンアラなどがあります。これらの成魚には、糸状の鰭もなく、尾鰭も長くなく、まだら模様もなく、黒斑もありません。また、成魚時期の特徴が標準和名となっていると考えられる種は、タテジマキンチャクダイ・コブダイ・ユカタハタなどが挙げられます。


また、以前は、ギンガハゼの黄化個体は、コガネハゼとされていましたが、DNA鑑定による研究が進んだことによって、同種の色彩変異種であることが判明されました。



「魚の命名」という観点から考察してみると発見された当時の潜水技術や鑑定の精度・技術・方法が垣間見えて面白いですね。



真核生物上界
動物界 
後生動物亜界 
脊索動物門 
脊椎動物亜門 
顎口上綱 
条鰭綱 
新鰭亜綱
スズキ目 
スズキ亜目 
フエダイ上科 
フエダイ科 
フエダイ亜科 
フエダイ属



Nikon D200
Nikkor AF20mm F2.8D
Anthis nexus D200
INON D-2000 x 2

Photograph & Text by
hashizo
# by taxonomicblog | 2006-12-13 19:35

アミメトビエイ

Taxonomic Blog 012
アミメトビエイ_b0062119_19173697.jpg

英名:Ornate eagle ray
学名:Aetomylaeus maculatus
和名:アミメトビエイ

翼長:2.5m
生息水深:18m以深
生息域:モルジブからパプアニューギニア・台湾北部・ニューカレドニア南部・パラオのマングローブ域・チャネル(水路)付近の砂地※日本でも標本が得られた。
撮影地:ゲロンインサイド
Auther:tomoya

まいどです!やっとオルネイトイーグルレイ、アップできますよ。今まで数回目撃したんですけど、はっきりと個体が分かる写真ゲットできなかったんで。今回は長く見れたこと、お客さんとマンツーマンで潜ってたんでカメラを借りやすかったことでなんとか写真撮れました。


さて、オルネイトイーグルレイですけど和名がつきました。『アミメトビエイ』です。背中の網目模様から来てて、珍しく和名の方が分かりやすくシンプルな名前やと思います。まあオルネイトイーグルレイの方が通る名前なんで、あえてアミメトビエイとは言いませんけど、日本でも揚がったんですねぇ。


今回はゲロンのインサイドで遭遇。水深は25mです。安全停止に入る直前で見つけました。毎度のことですけど、テンション上がりましたー。10分くらいはじっくり見れたんちゃいますかね!?背中の網目もがっつり見ました。こいつは網目模様以外にももう一つ大きい特徴があります。尾鰭が以上に長いんです。

アミメトビエイ_b0062119_19182274.jpg


マダラトビエイなんかでも、幼魚の頃は体に対しての尾鰭の比率は相当大きいですけど、大型になってもオルネイトの場合は尾鰭がべらぼうに長いです。初めてジャーマンチャネルで目撃した個体は翼長3mオーバーでしたが、尾鰭がこれまた長かった!至近距離やったんで、全体が視界に入りきりませんでしたからね。

レア度としては“激レア”の部類に入ると思います。パラオに一年居て、1~2回くらいの遭遇率でしょうか。遭遇しても、スーッとフェードアウトしていきます。砂地を好むようで、ジャーマンチャネル、ゲロンインサイドで目撃例が多いです。ウーロンチャネルやゲロンアウトサイドでもたま~に見られるそうです。個人的には、今回のゲロンインサイドそして過去にジャーマンチャネル、ゲロンアウトサイドで目撃しました。


撮影のチャンスは“稀”ですが、パラオに是非狙いに来てください!!


ともや
# by taxonomicblog | 2006-10-24 19:19

タイマイ

Taxonomic Blog 011

タイマイ_b0062119_19335139.jpg


英名:Hawksbill sea turtle
学名:Eretmochelys imbricate
和名:タイマイ

体長:60cm~90cm
体重:60Kg
生息水深:0m~不明
生息域:太平洋・大西洋・インド洋の南北30度より低緯度の熱帯海域
撮影地:ブルーコーナー
Auther:tanaka toru


この写真はタイマイの甲羅上の付着生物ををニザダイ科のナガニザが搾餌している場面です。また、ウミガメの類は、この方法の他にコーラルや石に甲羅を擦り付けることによって甲羅を掃除している姿を見かけます。

カメの甲羅はボートの船底と同様に定期的なメンテナンスが必要であり、大型のサメに襲われる際などに、逃げるスピードが落ちるため、まさしく死活問題となります。

そうした理由のために、海ガメの類は魚類のクリーニング行動を利用したり、自分で岩や珊瑚に擦り付けたりして掃除をするわけです。陸ガメの甲羅干しについては、ただ体を暖めたり、ビタミンを吸収したりするほかにも甲羅についた藻を日に当てて枯らせて除去する大事な役目があるそうです。

昔から、「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、カメの類は細胞の代謝のサイクルが遅く、動物の中でも長寿の部類ですが、海亀の甲羅があんなにキレイなのは本当にマメに掃除しているキレイ好きなんですね。フジツボや藻がびっしりと生えたカメは見た事がありませんものね。

水族館では定期的にデッキブラシでウミガメの甲羅の掃除を飼育員がやっている姿を見かけます。自然界の中ではカメのクリーニングステーションがあるそうです。ダイビング中にデッキブラシを持っていくとウミガメが集まってくるなんてなったら面白いですね。


界: 動物界 Animalia
門: 脊索動物門 Chordata
亜門: 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱: 爬虫綱 Reptilia
目: カメ目 Testudines
亜目: 潜頸亜目 Cryptodira
上科: ウミガメ上科 Chelonioidea
科: ウミガメ科 Cheloniidae
属: タイマイ属 Eretmochelys
種: タイマイ E.imbricata




田中ひょん
# by taxonomicblog | 2006-10-16 19:34

インドカエルウオyg.

Taxonomic Blog 010
インドカエルウオyg._b0062119_13294475.jpg

英名:Brown coral blenny
学名:Atrosalarias fuscus holomelas
和名:インドカエルウオ

体長:2cm
生息水深:サンゴ礁域の浅海
生息域:西部太平洋の熱帯域
撮影地:マラカル湾内-5m
Auther:tomoya


今回は幼魚です。インドカエルウオyg.です。イソギンポ科の魚で、同科内ではめずらしく幼魚と成魚の体色が異なるのが特徴です。本種は湾内の浅場のサンゴ域で見ることができます。ご覧のように、全身黄色で目を引きます。成魚になると全身真っ黒になるので、あまり人気はありません。


今回撮影した幼魚は体長約2cm、人差し指の第一関節くらいの大きさでしょうか。近寄るとサンゴの裏側に隠れるんですけど、またすぐ出てきます。カメラを近づけると隠れて、そしてまた出てくるまでネバる。この繰り返しです。黄色以外にもやや緑がかった色のものもいますが、藻場にいるものは緑、浅場のサンゴでは緑~黄色のものが見られるようです。このカラーもさることながら、愛嬌のある容姿がかなりカワイイ良い被写体だと思います。

インドカエルウオyg._b0062119_1328152.jpg


ともや
# by taxonomicblog | 2006-10-02 13:31

カスリハゼ

Taxonomic Blog 009

英名:Fragfin Shrimpgoby
学名:Mahidolia mystacina
和名:カスリハゼ

体長:5cm
生息水深:-5m~-25m
生息域:インド・西太平洋の温~熱帯域
撮影地:マラカル湾内-20m
Auther:tomoya


カスリハゼ_b0062119_1846111.jpg

今回はカスリハゼです。湾内の泥地、水深20mで撮影しました。湾内の砂泥地であれば-20m付近で割かし簡単に見ることができます。雄の第一背鰭は写真の様に伸張しているので、被写体としてもカッコエエと思います。底質がトロトロの泥地の場合を除けば、警戒心も小さいんで比較的簡単に撮影できるはずです。


和名の“カスリ”は体側にある斜走帯の模様を“絣”模様に見立てたことにちなみます。さて、ここでは『カスリハゼ』と書かせてもらったんですけど、正確には『カスリハゼ属の一種』Mahidolia sp.』とした方がエエと思います。カスリハゼ属は各鰭が大きく、特に目立つ第一背鰭の形や斑紋が種の識別に有効とされてきましたが、近年の研究では再検討が必要とされています。きっちり同定されたら、またこのページでアップしたいと思います。

カスリハゼ_b0062119_18472521.jpg


こっちは雌の写真です。雄に比べて、第一背鰭は丸く、伸張しません。雄とペアで居ることもあります。また、ギンガハゼ等と同じく黄化個体もいるようです。


このカスリハゼ、三本目に狙いに行きませんか?


ともや
# by taxonomicblog | 2006-09-26 18:49